Ari Hoenig 6/19(tue)

2日前になりますがAri Hoenig trioのライブ観に行ってきました。COTTON CLUBに初めて行きました。

イスラエル出身の2人を引き連れてと言うことでそっち系の演奏が聴けるのかなとかなり期待してました。結果から言うと普通にAri Hoenigの曲をしてました。でも全く残念じゃない。なぜなら、最高だったから。

いや、凄い、とにかく凄い。一流とはかくあるべしって感じ。僕は演技を勉強してるんですけど音楽の方が勉強のモチベーションを上げるし、これからどうしていきたいかっていうのを示してくれるんですよね。今回もそんな日でした。

もともとリズムオバケ、ドラムでテーマを叩く(Moanin'とか、教則ビデオYouTubeあがってます。最初笑いが止まらなくなりました。)みたいなイメージがあったので、バカテクや奔放さを聴けるんやろなって思ってたんですが、とにかく丁寧!タッチの正確さ、音の優しさ、体の使い方、もちろんやってる事はアナライズしようと思うと複雑すぎてよく分からないくらいバカテクなんですけど、それがどうでもよくなるくらいとにかく丁寧で、優しくて、僕には終始愛の化身に見えてました。

一番感心したのは、知識や理論を自分の中にとんでもない量取り込んで表現の際感覚で表出してくる感覚です。これスコアにするととんでもないことになることは間違いないです。例えば多分4分を付点4分でとって6/8と8/8のポリリズムで24小節区切りにして6/8の方の付点4分を更に四つ割りするみたいなの(もう書いてて意味わかんないですね笑)(と言うかよく分かってませんが)とか、ハットスタンドや床を突然叩いたり、そもそもドラムでテーマとる時点でとんでもないですしね。それをもし採譜してその通りに叩けるよう練習しても、アリのようにはならないと思います。演奏していて他者との関係の中で表現したいことが出てきてそれを様々なアプローチで仕掛ける。出したい音があってそれを出した結果アナライズするから複雑で仕方ないしバカテクになるんだけど、感覚的に良いと思うことをやった結果なのでバカテクを見せようとしてないと思うんですよ。だから結構自由でめちゃめちゃやってる(一緒にやったらたまったもんじゃない)んですけど最高なんですよね。そこがやっぱ一流なんじゃないかなって思いました。

ピアノのEden Ladinもソロにスタンダードを突っ込んでファンサービスも旺盛。とても優しい音色に聴き惚れてると、アリがドラムでソロでエデンが弾いたテーマを叩いて締めるとかとんでも技を披露など、観ててとても笑顔になりました。ベースのOr Bareketもクールに、しかししれっとブッ込む遊びの数々。アリが自由な分堅実に弾いてますがレスポンスがエゲツないんです。言うなれば超丁寧で超真面目な超高次元の遊びでした。

ドラムでテーマをとらないから今日は無いのかと少し寂しく思いましたが、アンコールでジョニーキッシュの「you are my sunshine」でついにテーマを丸々ドラムで披露。ニクい演出ですね。ジョンボーナムなんかが「moby dick」のソロなんかでやってる様にフロアを肘で抑えてタムは左手で抑えて音階を奏でてるんですが、芸人です。笑けてきます。

本当に最高のライブでした。僕がやりたかったこと、スタイルをドラムでまさに体現していました。これから先俳優として(音楽と演技とジャンルは違えど)こういう人になりたいと思いました。

金さん、柳沼くん最高の日を提供して下さりありがとうございました。